「パーマカルチャーデザインW.S. 21' 」レポート

■パーマカルチャーデザインワークショップ @ 西宮「甲山HoneyGarden」
第6回 システムデザイン・ランドスケープデザイン

今回は最終回。前回、実現したいテーマごとに作った3グループで、テーマに沿ったデザインを具体的に考えていく時間になりました。
場所柄、ここでどんなイベントを開催して、どんな人に来てもらいたいのか?
どんなことが起きたらいいか?を前回考えましたが、それに沿ってイベントの時系列をイメージしつつ、そこにいる人の行動に必要なモノやコトをピックアップするところから始めてみました。

そのモノやコトの循環する様子をイメージしつつ、そこに来た人たちにとってのパブリックスペースとプライベートスペース、またオーナーのご家族のプライベートスペースとの兼ね合いなどを考えつつ、必要なアイテムの配置を考えていってみました。

パブリックとプライベートという考えは、ほどよい距離感、ひいてはお互いの快適さに繋がる大切なポイントなのだなぁ…と、ほどよく「区切る」ことの大切さを改めて感じました。

結局のところ、パーマカルチャー的なアイテムがあればいい、ではなく、デザインはすべて「自分=システムの中心になる存在」がどんな暮らし、どんなビジョンを実現したいのか?がスタートであること。
せっかく作ったシステムも使わなければ意味がないし、その中でうまく循環ができなければ、やりたくないことをやる時間(労働)が必要以上に生まれてしまう、ということで。
いかに労働の時間を減らして、やりたい暮らしに時間を使えるのか、ということを大切にしたいな、ということも改めて感じたことです。

資本主義はあらゆるものを商品にし、すべての人を労働者にしていく、という言葉がとても印象に残って。すべての人がそれぞれのやりたいことを形にして
いく豊かな世界になっていけばいいな、と思いました。

今回は「デザイン」ということがテーマのワークショップでしたが、みんな哲学的なお話が結構好きで、そのあたりのディスカッションが相当盛り上がって
なかなか本題に入れなかったのがとても面白かったです。(ケンさんは大変だったかと思いますが…)
そんな、とても素敵な仲間とつながることができて、これからもご縁のみなさんで自分たちで面白いことを作っていけたらいいな、と思っています。
私自身も拠点を探しつつ、みんなの拠点づくりのお手伝いもさせてもらえたら嬉しいです!

ケンさん、あびちゃん、イッチー、こんな状況下で、こころよく場所を使わせていただいたプーさん、ひかりん、ご一緒させてもらったみなさま

とても豊かな時間、ありがとうございました!

(川田成美:受講生)


■パーマカルチャーデザインワークショップ @ 西宮「甲山HoneyGarden」

第5回 ストラテジー(戦略)デザイン

 

今回は前回の流れで4つのチーム(2つのコンセプトを2グループづつ)で、ストラテジーデザイン

これまでの"観察から導き出すコンセプトデザイン"という文脈から外れていた所も見受けられたので、もう一度デザインプロセスと各デザインの意味を再確認することから始め、特にコンセプトデザインの重要性を皆さんとディスカッションしました。

 

コンセプトデザインは、実現させたい事の方向性を明確にし言語化することで、それはなかなか大変な作業なのですが、それができれば理想が実現にグググっと近づきます。

 

このディスカッションの時間は、創りたい未来を思い描きそれを表すことの大切さを確認し、一人ひとりの話に耳を傾け合う、とても心地良い時間でした。

 

その中で今後のワークの進め方をみんなで決めた結果、コンセプトをオーナーによる「羽ばたきの森」へ絞ることになり、そのコンセプトが出来上がるまでの想いをオーナーにお話しいただきました。

 

お話いただいた中には3つのキーワード「羽を識(し)り、飛び方を学ぶ」「環境を通して羽を伸ばす」「羽を整える」がありましたので、その3つの中で興味があるもの毎に3つのグループへ再編しました。

 

「森の農(みのり)」さんの美味しい薬膳鹿カレーとベジカレーで昼食をとったのち、各グループでストラテジーデザインをしていただきました。途中段階で一度発表、それへのフィードバックをさせていただき、もう一度考えて…。インプットとアウトプットを繰り返すことで理解が深まっていくのを感じました。

 

3つのグループのテーマは違っているのですが、各グループのストラテジーデザイン(コンセプトを具体化する方法)はお互いがお互いを補完しあえるようなものが上がってきたことが面白かったです。

 

いよいよ次は最終回、どんなものが導き出されるのか今からワクワクしています!

 

(橋本憲一郎:講師&ファシリテーター)


■パーマカルチャーデザインワークショップ @ 西宮「甲山HoneyGarden」

第4回 コンセプト作り+

今回はこれまでの「観察」を基にして、オーナーの方と有志グループによるコンセプト発表から始まりました。

有志グループとしては、何人かの方と集まってコンセプト案を決めていたのでその発表ををしました。

それはコンセプト作りの打ち合わせで利用した、ビザ屋の隣にあるオーナーの敷地がコンセプトのイメージにぴったり!と共感し、そこからコンセプトを考えていきました。その敷地には池があり、草屋根の小屋があり、竈がありました。素敵な場所にみんな心を奪われてしまいました。

その後オーナーによる発表、コンセプトは「羽ばたきの森」。

趣旨も理由も前回みんなで「観察」をして掘り下げた項目で網羅されていて、しかもこのコンセプトから派生する素敵な趣旨が盛り込まれていました。

相当悩まれたそうで、まさしく産みの苦しみあっての素敵なコンセプト!

新しいものの誕生には深みがありますね!

この有志グループのものと、オーナーのもののコンセプトを産み出すプロセス

が異なっていたことから、私はより多くの学びを得ることができました。

比較することで今までの理解の度合いを知ることにも繋がり、とてもいい時間になりました。

午後は2つのコンセプトをそれぞれ2つのグループにして、4つのチームに分かれてコンセプトを具体化していく戦略(ストラテジーデザイン)の検討をしました。その後、システムデザインの説明を受けました。

イメージを言語化するのは難しい作業ですが、チームで話をしながら決めていくのはとても楽しいですね。

今まで学んだ、コンセプトデザイン、ストラテジーデザイン、システムデザインはいろんなケースに応用できそうです!

次回はストラテジーデザイン決めからシステムデザインのワークに移ります。

徐々に望みがカタチになっていくことにワクワクしています!

(福田和愛:受講生)


■パーマカルチャーデザインワークショップ @ 西宮「甲山HoneyGarden」
第3回 コンセプト作り

今回はこの場所のコンセプトを決定する予定です。
まず、コンセプトを考えるのにあたりトーラスという原理を教えていただきました。
トーラスはある角度から見るとドーナツ型であったり別の角度から見るとりんごの芯のようなあらゆる方向からエネルギーが渦巻いているものですが、これをスパンと切ると年輪のようになります。
するとゾーニングの図になっていて、己から始まり波紋のように徐々に広がっていく内的エネルギーを書き込む、そこに様々な外的エネルギーも書き込んでいくと地図のようになります。
こうすると、今のこの場所の現状や、求めていることが見えてきて、より的確なコンセプトが作れるんじゃないかということでした。
そして何と何と、これは自分にもあてはまります。この図を自分のこととして当てはめて書き込んでいくと、自分の現状を知ったり、方向性、気づいてなかった自分にも気づけるかもしれません。
ケンさん曰わく、人生の地図。
これ、実は、私も探してました!!自分探しにそんなにも時間を費やす必要ないって思ってました。早く本題に入りたいって。
感動したのは私たちの考えや行動ですら宇宙と地球のパターンを用いるとエネルギー効率がよくなる、無駄なく動ける、ということです。地球が私たちで、私たちが地球で、全てはつながってるんだなぁと実感できました。
そんなお話を聞いてから、一人一人コンセプトを発表しました。頭の中にふんわりイメージはあるんだけど、言葉にして、わかりやすく、簡潔に、って難しいー。生み出すって、エネルギーいるんですねぇ。2割でも出す!を合言葉にそれぞれから生まれてきたコンセプトは一つづつ、素晴らしい響きのエネルギーを含んでいました。ほんとに、色とりどりでの意見で、全部いいなーって思いながら聞いていました。そんなこんなで今回は決定には至らず、オーナーさんに宿題で、来月発表していただくことになりました。どんなコンセプトになるのかとっても楽しみです。今回も、ワクワクな講座をありがとうございました。

(清水麻美:受講生)


■パーマカルチャーデザインワークショップ @ 西宮「甲山HoneyGarden」
第2回

持続可能とは?わかっているようでわかっていないこの言葉。
”人間が生きていく環境が”持続可能であるのであって、自然や地球に持続させ
てもらってるのは人間の方だとよく思うことがあります。
地球にやさしくなのではなく、地球がやさしい(今のところ)。
であるならば、そこに人間は不要なのではないか?
パーマカルチャーを学ぶたびにこの矛盾が頭をよぎるのです。
 そんな第2回目は、具体的な”場”をデザインしていくプロセスを進めていき
ました。その場所が、持つ特徴や歴史などのバックグラウンドや施主の思い
描く理想や、価値観をインタビュー(問い)して観察していきました。そう
することで
「どうして今の状態になったか?今後はどうして行きたいのか?」のストーリー
が生まれて、創りたい場所のイメージしやすくなりました。
さらに、参加者全員でインタビューをすることで、自分一人では考えつかな
いような視点や内容が次々と出てくる事は、すごく刺激になります。
僕が育った世代(昭和50年生)では、自分の頭がそう慣らされきただけかもしれませんが、みんなが一致することを教えられてきたような気がします。
それは、物事に対しての「問い」ではなく、「答え」を優先してきたからなのではないでしょうか?
価値観を共有するうえで「問い」によって、ひとつの物事に対するさまざまな視点を得ることは、「答え」以上の気づきを得ることになります。
質問する側が、自分も場所をつくっていたり、叶えたい理想像があったりして、持っている状況が「問い」に反映されるからです。
いままで有効だった絶対的な「答え」が揺らいできている今の世の中では「問い」から創造性が発揮されるのではないかと思わされました。
 人間が果たす役割としても、ただ単に欲求や本能に従うだけでなく、行動に意味をもたせられることが、地球に対してできることなのではないかと前述の

自らの「問い」にも一つの視点が生まれました。
今後のコンセプトづくりも大変楽しみです。皆様ありがとうございました。

(近藤 正教:受講生)


■パーマカルチャーデザインワークショップ @ 西宮「甲山HoneyGarden」
第1回 パーマカルチャーの基礎

第1回目の今回。
午前中は、講師やスタッフ、参加者たち、そしてこの場所との初対面を満喫し
ました。お昼休みにはゆっくりと鹿カレーやベジカレーを楽しみ、午後は
パーマカルチャーの背景や基本についての熱い講義でした。
豊かな自然の中、おもしろい方々と、なごやかで刺激的な時間をごいっしょ
できて、感謝です。以下、私なりにまとめてご報告します。

1)ワークショップの概要説明
・甲山ハニーガーデンというこの場所を題材に、「繋がりあう関係性づくり」
を活かして生活のデザインを行う。
・参加者はデザイナー、オーナーのプーさんとひかりんが施主、講師のケン
さんがガイド役という設定。

2)甲山ハニーガーデンの説明、見学
・県道と川に囲まれた三角形の土地。高低差は30m。
・元は16軒の農家の共同耕作地だった。
・周囲の山との関係から、雨が少ないエリアである。そのため土地は悪かった
・以前は木も少なかったが次第に増えてきて、若い森になっている。


3)他己紹介
・2人1組でお互いの情報を得た後、パートナーのことをみんなに紹介。
・パフォーマー、漆、コミュニティ運営、農、ハーブ、保育、福祉、医療、建築、造園、クリスタルボウル、星よみ、フリースクール、樹木と対話、リトリート、

尺八、ヨガ、薬膳、環境NPO…などなど、それぞれに魅力的なライフワークに取り組む方々でした。すでに自分の場所を持ち、そこで活かすために学びに来たという方がたくさんいたことも印象的でした。

4)講義
○パーマカルチャーとは:永続する環境を創りだすためのデザイン体系。
[永続可能性とは]
-永続可能なシステムは生態系だけ。
-永続可能性の2つの形:
・スパイラル:循環性:生態系の摂理を頂くこと。色々な命を巡りながら豊かさを増していくエネルギーの循環。
・枝分かれ:多様性、生命の形:それぞれの環境で活気づくこと。幹と末梢を行き来するエネルギーの拍動。
[パーマカルチャーの倫理]
・地球に対する配慮:「地球は何を求めているのか?」に心を傾ける。
・人々対する配慮:まず自分自身を大切にする。そして周囲へと配慮を広げる
・余剰分の分配:溜めすぎると腐る。循環させて、独り勝ちしない工夫を。
○パーマカルチャーデザインの流れ
*パーマカルチャーデザインは「合気道」:自分を合理的に使い、相手と調和し、相手の力を活かす。
*デザインとは理念を形にすること。パーマカルチャーデザイナーは、永続性を創りだす。
[基本的な心構え]
”The problem is the solution.”
「問題」も、視点を変えれば「有望な資源」。いかにうまく利用するかを考える
[デザインの流れ]
(1)内の観察:自分は何を実現したいのかを明らかにする
(2)外の観察:デザインする空間・環境を、四季を通して多面的に観察する
(3)俯瞰的な観察:デザインする空間・環境が置かれている場を広い視野で観察する
[効率的な配置]
・ゾーニング:利用頻度で区域分け
・セクター:日光・風・雨・動物など、流入するエネルギーの利用
・スロープ:位置エネルギーの利用
・トポグラフィー:土地本来のエネルギーを引き出す
・バイオリージョン:その場所が属する生命圏や風土、人・物資・情報の流れも考慮する

5)ふり返り、シェア:全員が一言ずつ本日の感想をシェア。
・永続可能性の形、「まず自分を大切にせよ」「The problem is the solution」等、各自が印象に残ったポイントが語られました。
・「それぞれの場所でそれぞれ具体的に取り組んでいる人たちがこうして集まってくれて、めちゃくちゃ楽しみ」との声も。
・私自身は、約20年前にパーマカルチャーを学び、以降、実際の場創りをする機会はありませんでしたが、この学びが人生を変える原動力や指針になって
 いたんだなあと改めて実感しました。この恩恵をシェアし循環させていきたいです。

(猪田千恵子:受講生)